清水誠治法律登記事務所

不動産の相続放棄

土地や建物・空き家などの不動産の放棄はできるのか

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土地や不動産の相続放棄は可能です。 相続放棄を申し立てて認められましたら、その不動産の固定資産税を支払う必要はありません。 ただし、相続放棄が認められた場合であっても、不動産の管理義務が残ってしまう可能性があります。 また、建物や土地を相続したくないと考えており相続放棄を検討している場合、土地や建物の名義変更や、故人の預金を引き出し、故人の債務の弁済に充てるなど、相続したとみなされる行為をしないように気を付けましょう。
また、勤務先からの未払い給与や死亡退職金の受け取り、携帯電話の解約や名義変更などの行為は場合により単純承認事由とみなされる場合がありますので自己判断をせずに専門家へ相談することをおすすめいたします。 相続放棄を申し立て認められるためには、「相続したとみなされる行為」をしないように十分注意しましょう。
相続放棄が認められますと最初から相続人でなかったことになりますので、認められた後はもちろん相続に関わる行為をすることができません。

不動産を相続放棄した場合のメリットとデメリット

メリット

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相続したくない不動産を相続放棄した場合、固定資産税を支払う必要がなくなります。 また、相続放棄はそれぞれの相続人が個々で家庭裁判所へ申し立てる相続手続きですので、他の相続人がどのような相続手続きを選択するのかは関係なく、ご自身だけでも手続きをすることが可能です。 誰も相続したくないような価値のない不動産を相続人皆で相続して共有財産にした場合、子や孫が相続するときに問題になるかもしれません。 売りたくても売れずにずっと固定資産税を払い続けるかもしれない不安を抱えるよりは、相続放棄をすることでそのような悩みはなくなりますのでメリットはあるのではないでしょうか。
ただし、相続放棄をしたとしても次の管理者が決まるまでは、管理義務は残ります。

デメリット

相続放棄手続きを申請し認められた場合、最初から相続人でなかったということになります。 ですので、相続したくない土地建物などの不動産だけでなく、その他預貯金等の財産についても相続することはできません。 また、ご自身が相続放棄をした後に、その不動産を相続した人が売却し利益を得たとしても相続人ではありませんので受け取る権利はないのです。

不動産の管理義務の放棄は簡単にはできない!?

相続のルールを定める民法には相続放棄後の管理義務について下記のような条文があります。
"「第940条
相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
2以下略」"
相続放棄後も他の相続人の誰かが相続しない限り、その土地は被相続人(亡くなった人)の名義のままです。 そして、相続放棄が認められて固定資産税を支払う義務からは逃れられても、次の引継ぎ先や管理者が決まるまでは放棄した不動産の管理義務は、そのまま残るのです。 例えば放棄した建物が空き家となり放置していた場合、老朽化し倒壊して近所へ迷惑がかかるかもしれませんし、何らかの事故が起きて責任を問われ、損害賠償請求を受ける可能性もないとは言えません。 この条文についての過去の裁判例は少なく、どういった範囲で責任を問われるのか、まだよく分からないというのが実情のようです。

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