清水誠治法律登記事務所

親が亡くなったのに連絡がない!「無視されている」と焦る前に知っておくべき対処法

「風の噂で、豊橋に住む父が亡くなったと聞いた。でも、兄からは何の連絡もない……」 「疎遠にしていた親族が亡くなったらしいが、自分は相続人なのだろうか?」

相続は、被相続人(亡くなった方)が死亡したその瞬間から始まります。 通常であれば、葬儀の連絡や四十九日の法要などで顔を合わせるものですが、親子や兄弟姉妹の仲が悪く疎遠になっている場合、「何も知らされないまま時が過ぎる」というケースは珍しくありません。

「ひょっとして、自分を仲間外れにして遺産を山分けしたのでは?」 そんな不安を抱く方も多いでしょう。

今回は、「相続が発生しているのに何も言ってこない場合」の対処法と、放置してはいけない「借金のリスク」について、豊橋の弁護士が解説します。

 

連絡がなくても「遺産の持ち逃げ」はできない?

結論から言うと、単に連絡が来ないだけであれば、そこまで焦る必要はありません。 なぜなら、日本の相続手続きは「相続人全員の実印」がなければ、何一つ進まない仕組みになっているからです。

 

 

役所や銀行は「教えてくれない」

まず前提として、国や豊橋市役所、裁判所が「あなたの親御さんが亡くなったので、相続の手続きをしてください」と親切に通知してくれることは絶対にありません。

しかし、遺産(プラスの財産)がある場合、他の相続人(例えば同居していた長男など)は必ずあなたに連絡を取らざるを得なくなります。

 

 

銀行は「全員のハンコ」を要求する

例えば、父の遺産である預貯金(豊橋信用金庫やメガバンクなど)を解約しようとしたり、実家の不動産の名義を変えようとしたりする場合、以下の書類が必ず求められます。

  • 被相続人の戸籍謄本一式(生まれてから死ぬまでのすべて)

  • 相続人「全員」の戸籍謄本

  • 遺産分割協議書(相続人「全員」の署名と実印が必要)

  • 相続人「全員」の印鑑証明書

つまり、あなたを無視して勝手に遺産を分けることは、実務上不可能なのです。 相手から「ハンコをくれ」という連絡が来るまで待機していても、大きな損をすることは基本的にありません。

 

自分から動くべきケース:相続人の調査方法

「待っていればいい」とは言っても、不安な場合はご自身で調査をすることが可能です。 その第一歩は、被相続人の「戸籍謄本」を取り寄せることです。

 

 

戸籍調査でわかる「意外な事実」

被相続人の本籍地がある役所(豊橋市役所など)で、「戸籍謄本(全部事項証明書)」を取得します。 ※「抄本」ではなく「謄本」が必要ですのでご注意ください。

これを取り寄せることで、以下の事実が判明することがあります。

  1. 死亡の事実: 本当に亡くなっているのか、いつ亡くなったのか。

  2. 他の相続人の存在:

    • 「実は父には前妻との間に子がいた(異母兄弟)」

    • 「認知している婚外子がいた」 これらの方々も、あなたと同じ「相続人」です。

なお、豊橋市周辺は過去に市町村合併(平成の大合併など)があったため、古い戸籍を辿る際に読み解くのが難しいケースがあります。調査に時間がかかる場合は、専門家へ依頼するのも一つの手です。

 

【最重要】連絡がない時の「本当の恐怖」は借金のリスク

プラスの財産であれば「連絡待ち」で構いません。 しかし、「何も言ってこない」場合で最も怖いのが、「借金の相続(負動産)」です。

 

 

「相続放棄」は通知されない!

相続には順位があります。

  • 第1順位:子

  • 第2順位:親(直系尊属)

  • 第3順位:兄弟姉妹

例えば、亡くなった兄に多額の借金があったとします。 奥さんと子供(第1順位)が「借金を背負いたくない」と裁判所で「相続放棄」をした場合、その借金の相続権は、親(第2順位)、そして兄弟姉妹であるあなた(第3順位)へと、自動的に移ってきます。

ここで恐ろしいのが、「先順位の人が放棄しましたよ」という通知は、裁判所からも親族からも来ないという点です(法律上の通知義務がありません)。

 

 

知らぬ間に「借金の相続人」に?

「連絡がないから関係ないと思っていたら、ある日突然、債権回収会社から督促状が届いた」 これは、先順位の相続人が全員放棄し、知らぬ間にあなたが借金の相続人になっていた典型的なケースです。

相続放棄には「自分が相続人になったことを知ってから3ヶ月以内」という期限があります。 もし、「兄が借金を残して亡くなったらしい」という噂を聞いたなら、悠長に待っていてはいけません。

 

家庭裁判所への「照会」で確認を

自分が相続人になっているか、先順位の人が放棄しているかを確認するには、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所(豊橋なら名古屋家裁 豊橋支部)へ「相続放棄の有無の照会」を行う必要があります。

 

まとめ:不安な「沈黙」は弁護士にご相談を

「相続が発生しているはずなのに、連絡がない」 この沈黙の裏には、単なる手続きの遅れがある場合もあれば、借金の押し付け合いが隠されている場合もあります。

  • プラスの財産があるはずだ → 焦らず、しかし戸籍等の調査は進める。

  • 借金があるかもしれない → 大至急、調査と対策が必要!

豊橋・東三河エリアで、親族と疎遠になっており相続状況がわからないという方は、トラブルが表面化する前に一度当事務所へご相談ください。 「待つべきか、動くべきか」を、状況に合わせて的確にアドバイスいたします。

 

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