清水誠治法律登記事務所

「調停」=「法廷バトル」は大間違い!相手と顔を合わせずに終わる、裁判所のリアル

「兄貴とはもう話が通じない。でも裁判所なんて大ごとはちょっと……」 「調停って、ドラマみたいに法廷で怒鳴り合いをするんでしょう?」

遺産分割の話し合いがこじれた時、次のステップとして浮上するのが「遺産分割調停」です。 しかし、多くの方が「裁判所」という言葉の響きに怯え、精神をすり減らしながら不毛な当時者間の話し合いを続けてしまっています。

実は、調停は「戦う場所」ではありません。むしろ、「感情的な相手と顔を合わせずに、クールに条件を整える場所」なのです。

今回は、豊橋・東三河エリアにお住まいの方に向けて、名古屋家庭裁判所 豊橋支部で行われる「調停のリアルな一日」を、弁護士の視点から完全ガイドします。

 

そもそも調停とは?「裁判官」は出てこない?

まず誤解を解きましょう。調停は、裁判官が黒い服を着てハンマーを叩く……という場ではありません。

主役は、民間から選ばれた有識者である「調停委員(通常、男女1名ずつ)」です。 彼らが、あなたと相手方(親族)の間に入り、それぞれの言い分を聞いて、「じゃあ、こういう分け方はどうですか?」と交通整理をしてくれる手続きです。

豊橋市近郊にお住まいであれば、基本的には「名古屋家庭裁判所 豊橋支部(豊橋市大国町)」で行われます。地元の裁判所ですから、そこまで身構える必要はありません。

 

最大のメリット:相手の顔を見なくていい「別室待機」システム

調停の最大のメリットは、「相手方と顔を合わせない仕組み」が徹底されていることです。

当日の流れをシミュレーションしてみましょう。

 

① 到着〜待合室(9:30 or 13:30集合)

裁判所に着くと、あなた(申立人)と相手方には、それぞれ別々の「待合室」が用意されています。 廊下ですれ違うことすら極力ないよう、集合時間を15分ずらすなどの配慮がなされることも一般的です。 「あの顔を見るだけで動悸がする」という方も、安心してスマホを見たり本を読んだりしてリラックスできます。

 

② 調停室でのトーク(30分交代制)

呼び出しがかかると、調停委員の待つ「調停室」へ入ります。 ここで重要なのは、「調停室に入るのは自分(と弁護士)だけ」ということ。相手はいません。

  • あなたのターン(約30分): 委員に自分の希望や事情を話します。

  • 〜交代(廊下ですれ違わないよう誘導)〜

  • 相手のターン(約30分): あなたは待合室に戻り、相手が委員と話します。

これを交互に2回ほど繰り返します。つまり、調停とは「伝言ゲーム」に近いのです。 直接言い合うのではなく、委員というフィルターを通すことで、冷静な議論が可能になります。

 

③ 次回期日の決定

双方が話し終えたら、その日は終了。 合意できなければ、「次回は1ヶ月半後ですね」とスケジュールを決めて解散です。ここでも、退室時間をずらすなどして、鉢合わせを防ぎます。

 

 

調停委員を味方につける「3つの鉄則」

調停委員は中立な立場ですが、人間です。「応援したくなる当事者」と「話が通じない当事者」がいれば、当然、議論の流れは変わります。 有利に進めるための鉄則は以下の3つです。

 

鉄則① 「感情」は捨てて「証拠」を出す

「長男は昔からズルかった!」「母の介護は私が全部やったのに!」 こうした感情論だけを30分間ぶつけても、調停委員は「困った人だ」とメモするだけです。

  • 特別受益(生前贈与): 過去の不公平を主張するなら、通帳のコピーや振込履歴を用意する。

  • 寄与分(介護の貢献): 介護日誌や、施設とのやり取りの記録を提出する。

「お気持ち」ではなく「紙(証拠)」で語る人が、調停を制します。

 

鉄則② 「100点満点」を目指さない

調停はあくまで「話し合い」です。自分の主張を100%通そうとすれば、必ず決裂します。 決裂すると「審判」という手続きに移行し、裁判官が強制的に決定を下しますが、これにはさらに数年の時間がかかります。 「不動産をもらえるなら、預金は譲ってもいい」など、70〜80点の合格ライン(落とし所)を決めておくのが、早期解決のコツです。

 

鉄則③ プロ(弁護士)を「盾」にする

調停はご自身でも可能ですが、弁護士をつける最大のメリットは「精神的な盾」になることです。

  • 調停委員からの鋭い質問に、代わりに答えてくれる。

  • 法的に無理な主張(「遺留分」を無視した要求など)を整理し、無駄な時間を省く。

特に、当事務所のような「登記」までワンストップで対応できる事務所であれば、調停成立後の面倒な「不動産の名義変更」まで一括で完了できます。 調停調書という公的な文書ができても、登記ができなければ意味がありません。出口まで見据えたサポートが可能です。

 

まとめ:話し合いが「平行線」なら、場所を変えよう

親族間の話し合いがこじれる原因の9割は、「感情」と「過去のしがらみ」です。 裁判所の調停室という「無機質な空間」に場所を移し、第三者を介するだけで、驚くほど話がまとまるケースは多々あります。

「裁判所なんて……」と躊躇せず、まずは一度、専門家に相談してみてください。 その「平行線」を断ち切る方法は、意外と身近な場所に用意されています。

 

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