清水誠治法律登記事務所

「知らない間に遺産分けが終わっていた」は無効?勝手な手続きと使い込みへの反撃法

「父が亡くなって数ヶ月。兄から『遺産の手続きは終わった』と言われたが、私は何も聞いていない」 「実家の通帳を見たら、母が認知症だった時期に多額の使途不明金がある……」

相続の現場では、残念ながらこうした「抜け駆け」や「使い込み」が頻発します。 自分も相続人であるはずなのに、蚊帳の外に置かれたまま手続きが進んでいたら、泣き寝入りするしかないのでしょうか?

答えは「NO」です。 法律上、全員の合意がない遺産分割は「無効」ですし、勝手に引き出された預金は「返還請求」が可能です。

今回は、豊橋の弁護士が、勝手に進められた相続手続きへの対処法と、使い込まれた財産を取り戻すための「時効」のルールについて解説します。

 

「ハンコなし」の遺産分割協議は、そもそも無効!

まず大前提として、遺産分割協議は「相続人全員」の合意がなければ成立しません。

もし、あなた(法定相続人)を除外して、他の親族だけで勝手に「遺産分割協議書」を作成し、銀行預金を解約したり不動産の名義を変えたりしていたとしても、その協議自体が法律上「無効」です。

 

対処法:遺産分割協議の「やり直し」を求める

「もう終わったことだから」と諦める必要はありません。以下の手順で対抗します。

  1. 無効の主張: 内容証明郵便などで「自分抜きで行われた協議は無効である」と通知し、再度の協議を求めます。

  2. 遺産分割調停: 相手が「もう金は使った」「今さら言われても困る」と話し合いに応じない場合は、家庭裁判所(豊橋支部など)へ調停を申し立てます。

  3. 遺産分割無効確認訴訟: それでも解決しない場合、裁判所に「あの遺産分割は無効だった」という判決を出してもらうための訴訟(裁判)を起こします。

また、脅されてハンコを押してしまった場合や、後から「隠し財産」が見つかった場合も、協議のやり直しを主張できる可能性があります。

 

深刻なトラブル:「預金の使い込み」への対処法

「遺産分けの話し合いをしようとしたら、そもそも預金がほとんど残っていなかった」 これが相続で最も泥沼化しやすい「使途不明金(使い込み)」の問題です。

同居していた親族が、被相続人(親)のキャッシュカードを勝手に使い、生前からコツコツと引き出しているケースが後を絶ちません。

 

それは「不当利得」です。返還請求しましょう

法律上、正当な理由なく他人の財産で利益を得ることを「不当利得(ふとうりとく)」と言います。 これに対し、被害を受けた相続人は「不当利得返還請求権(民法703条、704条)」を行使し、お金を返すよう求めることができます。

また、悪質な場合は「不法行為に基づく損害賠償請求」として訴えることも可能です。

 

 

「使い込み」の証拠をつかむ4つのチェックポイント

相手が「親のために使った」「贈与された」と言い逃れをする場合、客観的な証拠が必要です。

  1. 通帳・取引履歴の全開示: 過去10年分の履歴を取り寄せ、不自然な引き出し(1日50万円の限度額いっぱいなど)がないか確認する。

  2. 医療記録(カルテ)との照合: 「入院中で外出できないはずの日」にATMで引き出しがないか。

  3. 認知症の進行度: 意思能力がなかった(判断できなかった)時期の大きな出金や契約は無効の可能性が高い。

  4. 高価な動産の行方: 実家にあったはずの貴金属、絵画、骨董品が消えていないか。

これらを個人で調査するのは限界があります。弁護士であれば、弁護士会照会などを利用して金融機関や病院から記録を開示させることが可能です。

 

注意!「時効」が過ぎると1円も戻らない?

使い込みに対する請求(訴訟)には、時間制限(時効)があります。 「おかしいな」と思ったら、すぐに動かなければ権利が消滅してしまいます。

 特に注意すべきは、不法行為(使い込み)を知ってから「3年」という短い期間です。 「兄弟だから話し合いでなんとかなるだろう」と様子を見ているうちに、あっという間に時効を迎えてしまいます。

※どちらか一方の方法で請求することになります(二重取りはできません)。

 

 

まとめ:泣き寝入りする前に、豊橋の弁護士へ

「勝手に手続きされた」「預金が消えている」 これらは立派な権利侵害です。家族間の問題だからといって、我慢する必要はありません。

特に「使い込み」の立証には、銀行の履歴やカルテの分析など、高度な専門知識とスピードが要求されます。 豊橋・東三河エリアで、不透明な相続手続きにお悩みの方は、時効のカウントダウンがゼロになる前に、当事務所の無料相談をご利用ください。 失われた財産と、あなたの正当な権利を取り戻すための一手を、一緒に考えましょう。

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