清水誠治法律登記事務所

「忙しいから後で」は命取り!手続き放置で起きる3つの「現金損失」リスク

「父が亡くなって半年。手続きが面倒で、実家の名義も預金もそのままにしている……」 「借金はないと思うけれど、具体的に調べたわけではない」

大切なご家族を亡くされた直後は、悲しみや葬儀の慌ただしさで、事務手続きまで手が回らないのが人情です。 しかし、相続手続きには法律で定められた「期限」があります。

これを過ぎてしまうと、単に怒られるだけでは済みません。余分な税金を払わされたり、借金を背負わされたり、罰金(過料)を取られたりするという、明確な「現金損失」が発生します。

今回は、豊橋の弁護士が、相続手続きを放置した場合に襲いかかる「3つの時限爆弾」について解説します。

 

 

リスク1:【3ヶ月の壁】借金を断れなくなる(相続放棄不可)

最も期限が短く、かつ致命的なのが「相続放棄」の期限です。

相続財産は、プラスの財産(預金・不動産)だけではありません。借金や連帯保証債務といった「マイナスの財産」も引き継がれます。 これらを拒否したい場合、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

 

放置すると「借金も認めた」とみなされる

もし、親の財産調査をしないまま3ヶ月を過ぎてしまうと、法律上「単純承認(すべて引き継ぐ)」をしたとみなされます。 その後で「実は父に500万円の借金があった!」と判明しても、原則として放棄は認められません。あなたが自腹で返済しなければならなくなるのです。

「うちは借金なんてない」と思っていても、調査をしたら連帯保証人になっていた……というケースは豊橋でも珍しくありません。

 

リスク2:【10ヶ月の壁】税金が膨れ上がる(延滞税)

次にやってくるのが、「相続税の申告・納税」の期限です。 これは「相続の開始を知った翌日から10ヶ月以内」と決まっています。

 

 

ペナルティは非常に重い

「手続きを忘れていました」という言い訳は、税務署には通用しません。 期限を1日でも過ぎれば、本来の税額に加えて「延滞税」や「無申告加算税」といったペナルティが課されます。

また、相続税には「配偶者の税額軽減(1億6000万円まで非課税)」や「小規模宅地等の特例(自宅の土地の評価額を8割減)」といった強力な節税措置がありますが、これらは「期限内に申告すること」が適用の条件です。 放置すると、特例が使えずに税額が跳ね上がり、さらに罰金まで取られるという二重苦に陥ります。

 

リスク3:【3年の壁】不動産の名義変更で罰金(登記義務化)

そして今、最も注意が必要なのが「不動産の相続登記(名義変更)」です。 これまでは「いつやってもいい(やらなくてもいい)」ものでしたが、法律が改正され、2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。

 

10万円以下の過料(罰金)のリスク

新しいルールでは、「不動産を相続したことを知ってから3年以内」に登記申請を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

豊橋市内でも、先代、先々代の名義のまま放置されている土地や空き家が散見されますが、今後はこれらも取り締まりの対象となり得ます。

 

 

「特定空き家」で固定資産税が6倍に?

さらに、名義変更をせずに空き家を放置し続け、自治体から倒壊の危険がある「特定空き家」に指定されてしまうと、固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、税金が一気に最大6倍に跳ね上がるリスクもあります。

 

その他のリスク:預金凍結と「数次相続」の泥沼

期限による罰則以外にも、放置にはデメリットしかありません。

  • 預金が下ろせない: 銀行は名義人が亡くなったことを知ると口座を凍結します。放置期間が長引けば、必要な書類(印鑑証明書など)を集めるのが難しくなり、解約手続きが困難になります。

  • 次の相続が起きる(数次相続): 手続きをしないまま、今の相続人も亡くなってしまうと、関係者がネズミ算式に増え(孫、ひ孫、甥姪など)、全員のハンコを集めるのが事実上不可能になる「解決不能物件」になってしまいます。

     

 

まとめ:調査だけでも今すぐスタートを

「財産が少ないから大丈夫」 そう思っている方ほど、3ヶ月、10ヶ月、3年という期限を意識してください。 手続きを放置することは、あなたの財産を守る権利を放棄し、余計な出費を招く行為に他なりません。

豊橋・東三河エリアで、「何から手をつけていいかわからない」「不動産の名義がどうなっているか不安だ」という方は、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。 「財産調査」を行い、現状のリスクを洗い出すことが、安心への第一歩です。

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